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千泡沫庭園

幾つもの泡沫から為る、どこか懐かしい庭園へ。

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ぷろふぃーる

さいしんきじ

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孤独風 



――彼女が出会ったのは一風変わった風。





風なびく草原。
白い雲。
そして照り付ける太陽。
行く手を遮るものは何もない。

俺は旅人。
目的は無い。
強いて言うなら…
師の旅路を追うこと。
昔は、俺の剣の師と共に旅をしていた。
しかし、それはいきなり壊されて…
彼は行方をくらますし、
それを壊した奴も、姿を消した。
俺は、両方を追っている。
何処にいるかは見当もつかない。
或いは、生存さえ危ういと践んでいる。
だから、
俺の旅は終わる事がない。

仲間は要らない。
人間なんて、所詮は自分勝手な戦いに取り付かれた生き物。
何の理由も無しに争いを始める輩だっている。
頭は良くても、
心は無いように。
これでは機械と同じ。
ただ命令を受けて、
それを遂行するモノ。
機械と同じ生き物なんか、生き物で無い。

ニンゲンなんて、……



手を伸ばした。
空は掴めない。
虚空は掴めない。

心は掴めない。
想いは掴めない。

俺には何も掴めない。

昔は掴めた気がする。

何故、掴めなくなったのか。

分からない。

分からないから、

俺は



今、自分は、道という道を歩いていないのではないか、と思うことがある。

だが同時に、完全に道を外しているわけではない、とも思う。
何故、なのか。

『何故、どうして』


……


風なびく草原。


ふと向こうから、何体かのパンサーが走ってくる。
みたところ、何かに怯えているようだが…

そしていつの間にかそれらは次々と俺の横を通り過ぎていく。その時。

「退いて下さい!!」

よく響く、綺麗な女の声がした。途端、パンサーが俺に向かって襲いかかる。そして、地面に押さえ付けられた。

反応が、遅かった―ッ!
パンサーは俺に爪を振りかざしている。

「だから退いて下さいと言ったのですが」

先程の女の声。
すぐ目の前にいるようだが、今、俺の上にはパンサーが乗っているような状態なので、彼女の姿は見えない。
…と思った瞬間、パンサーは大量の血を流し、倒れた。パンサーの背には、刀が刺さっていた。

「…怪我はありませんか?」

その刀を抜きながら、彼女は言った。
翠色の目、似たような色をした長い髪――俺が見ても美しいといえる、綺麗な女だった。

「……別に、これくらいなら一人で倒せた」

正直な感想。

「そうですよね」

そしてあっさりと肯定された。…反論しないのか?

「…このパンサー、どうします?」

女はそこでぐったりとしているパンサーを見て言った。出血はまだ続いているようだが。

「…知るか」
「そうですね」

女はにこりと微笑した。
…何かこれ以上、コイツと関わりたくない。そう思い、俺は背を向けようとした。
刹那。
首筋に冷たいものを感じた。女が俺に刀を当てていた。その状態で、女が問う。

「何処へ行く気ですか?」
「知らねぇよ。俺は旅人だ」
「目的は?」
「無い。第一、お前が何故それを訊く?」
「そうですか…」

俺の問いには答えず、女は満足そうな笑みを見せた。

「…何だよ、俺に用があるんなら早く言ってくんねーか?」
「私と手合わせ願います」
「は?」

見ると、女は真剣そうな眼差しでこちらを見ている。女は続ける。

「貴方…見たところかなりの実力をお持ちのようです」
「そんなに俺と戦いたいのか?」
「ええ、とても」

女は不適に笑った。
…少しどころかかなり怖い。
まあ…一戦交えるくらいなら別にいいか。

「…分かった、一戦だけな」
「ありがとうございます」

…何とも不思議な奴だな…
まあいいや、コイツも先程の刀の使い方から、戦闘経験はあるだろう。少しは手応えがありそうだ。

リシュアが刀を構える。

「…そういえば、貴方の名前聞いてませんでしたね」
「…俺の名前はリミット。お前は?」
「リシュアです」

そう言った瞬間、リシュアは俺に向かって駆けてきた。そして俺は素早く剣を二本構えて刀を止めた。

「…二刀流ですか」
「どうかな」

曖昧に答えると、リシュアはワンステップ後ろへ下がる。
そうして静かに詠唱する。
次に、光る矢のようなものが襲いかかる。
光属性。そうと見た。
俺は剣を縦に構え、そして襲いかかる全ての光の矢を切り裂いた。旋風獅子。風属性。
風はあらゆるものを切り裂く。
しかし、リシュアは、矢を打ち落とされたにも関わらず、相変わらず笑みを保ち続けている。やはり、怖い。
そうしてそのまま、再び鍔迫り合いに。相手の方が若干、力が強い。あれを使うしか…!
そして繰り出した。風が巻き起こる。
時つ風。思わず相手は剣を離す。その時、相手の顔から笑みが消えた。
そうして再び間合いを取るかと思ったが、相手はそのままの距離で、再び詠唱を始めた。何がくるか分からない。妨害するのが得策か―!
踏み込もうとした。しかし

「少し遅いですよ?」

発動された。しかも、闇属性。
まさか、光と闇、両方の属性を扱えるなんて…!

「『朱闇波鳥』」

黒い闇が舞う。
全てを包み込む。
世界が闇に沈んでいく。

…そんな気がした。

しかし、気がついた時には

「……!」

相手の刀は俺の剣を弾いていた。

そうして、笑みが消えた表情でこう言う。

「我流、と見ましたがどうでしょう?」

……剣の話か。

「まあ…そんなところだ」

そう答えると、リシュアは先程の笑顔に戻り、こう言い放った。

「そうですか。少し本気を出してしまいました」

そうして、刀を収める。
……こいつは、最初から本気を出していなかったのだ!
そう思うと、何だか自分の無力さを改めて実感したような気持ちになる。自分はいつの間にかうつ向いていた。
しばらく両者共黙っていたが、不意にリシュアが口を開く。

「……しかし、その剣技に似た流派を使う人なら、見た事ありますよ?」

顔を上げる。
………まさか。

「…おいお前――」
「かなりの剣の使い手でしたね。確か名前は×××××。もっとも、彼の行方は私にはわかりませんが」

思わず、声に出していた。

「何でお前が知ってるんだ―ッ!」

リシュアは笑顔で一言。

「知っているからです」

そうして、その場を去ろうとした。

俺はどうする?

このまま奴を見逃すか、それとも――

「……待ってくれ」

リシュアが振り返る。

予想通り、というような顔だった。





新たな風。

この地に吹きすさぶ。





――――――――――――

そしてお次はリミットの過去話←

リシュアの件があってから、リミットと出会います

ってか主人公より会うの早いんです←

この頃のリミットは人間不信が表に出まくりですね

まあ…現在もそういうところは残ってるんですが

ちなみにリミット、三刀流なんですね

…剣だけど。

………もうニ刀流っぽいような感じな気がするのは気のせいですか?(ぁ

リシュアは光と闇、両方が使えます

何故か?……言わない←

よし、お次はラックか!








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