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千泡沫庭園

幾つもの泡沫から為る、どこか懐かしい庭園へ。

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ぷろふぃーる

さいしんきじ

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「…今日はどうかな…」

窓の外を眺めるラック。

今日は待ちに待ったクリスマス。
この日を楽しみにしていた子供達はきっと少なくないだろう。
まあラックの場合、ご馳走が食べられるのもあるだろうが。
それでもラックは外を見据える。そこには、既に落ちてしまった葉が地面に溶け込んでいる。
彼は望んでいる。
それは、雪が降ること。



比較的、温暖地域であるランスターは、冬になってもなかなか雪は降らないのだ。ここから少し離れたところにある大雪山、アイスバーグの向こう側では、よく雪が降るのだが。
それでランスターでは、今年もまだ、一度も雪が降っていないというわけだ。

そうして、ふてくされたラックを見つけたリシュアは、ふと声をかける。

「今日は雪、降りますかね」
「さあね。暫くこうしてるけど、雪が降る様子はないよ」

リシュアの問いかけにも、何だか素っ気ない態度。近くにいたジャンがこちらに駆け寄る。

「なーなー、雪ってさー…冷たいんだろー?」
「雪、見た事ないの?」

ラックが窓から視線をそらし、ジャンを見て言った。ジャンはいつもの通り、笑顔だ。

「俺の国では雪なんてもの、降らないからなー」

ジャンはフォーデル出身だ。確かそこは、かなり暖かいところであり(暑い、と言った方が正しいかもしれない)、雪どころか雨さえ滅多に降らない、いわゆる乾燥地帯。その上ジャンは、王家の人間だ。外なんか出た事も無かった人間が、雪を見ているわけもない。
ラックは再び窓に視線を戻した。そして普段の調子に戻り

「じゃあ降るといいね、雪」

と明るく言った。するとジャンもラックの隣にやってきて、一緒に外を眺めることにした。
その光景を、微笑みながら見ていたリシュア。不意に、視線を感じて振り向いた。

「……雪なんて、降っても面白くないぞ」

リミットだった。
彼は若干味気なさそうに呟いた。
リシュアは彼に近づいて、

「良いじゃないですか、彼らは楽しみにしているようですし」

そうして、そっとリミットの腕を引いて、手に何かを握らせた。
リミットが何か言う前に、そのまま去っていくリシュア。思わずリミットは首を傾げてしまうのだが、握らされたものを見て、少しだけため息をついた。

「あっリミ君、それ貰ったのね」

不意にミラムの声。見ると、隣にプリュもいる。大量の袋を持っていることから、買い物から帰ってきたばかりなのだろう。
ミラムはリミットに笑いかける。

「今日は美味しいご馳走でも作るわね。リミ君はシチューがいいかしら?」
「リミットだからぁ~リシュアのシチューじゃなきゃあ食べないんじゃなぁい~?」
「べ、別にそういうわけじゃ…!」

プリュがそんな事を言い出したので、リミットは思わず動揺してしまう。……図星なんだろうか。
そんな二人の会話を見て、クスリと笑うミラム。そして

「まあいいわ、じゃあ夕御飯、楽しみにしてて」

と言って、台所の方へ歩いていった。プリュもとことこと後をつけて行く。
リミットは再びそこに残された。
ラックは依然として窓の外を見つめ続けている。





めっきり寒くなった。

それは港町、ラティスでも。

貿易の中心となるこの町は海沿いにある為に、冬場は更に冷え込む。

それに備えて、町は本格的な冬を迎える体制をとっていた。

そんな町の一角で。

身体を縮めて、ふるふると寒さを我慢している一人のカービィがいる。

…いや、カービィと言うには少し異様な風貌をしている。

その垂れた長い耳が、風が乗ってゆらゆらと揺れる。

そんな異形なカービィはぽつりと呟いた。

「……さむい………」

そうして、白い吐息を吐く。

「あっ!」

その長い耳のカービィが、ふと顔を上げた。
その目線の先には、赤いベレー帽の少女。
その容姿は、まるでとある絵描きの少女のようだ。
寒さ対策なのか、マフラーを巻いて、手袋をしている。見ても暖かそうだ。
そんな少女が、言った。

「チャル!こんなところにいたの!」

そうして異形のカービィに駆け寄り、抱きついた。
チャルと呼ばれたそのカービィは、嬉しそうに笑う。

「ぱる~」
「大丈夫だった?今日は一段と寒かったもんね」
「ううん、ぱるがいるから!」

そうやって、チャルはにこにこ笑う。パルと呼ばれた少女もつられて笑う。
ふと、パルは自分の首に巻いていたマフラーを取り、チャルにそっと巻いてあげた。そのマフラーはぶかぶかだったものの、チャルは暖かそうに、そのマフラーに埋もれる感じになった。

「あったかい?」

笑顔で聞いた。
チャルは嬉しそうにこくりと頷く。
よかった!とパルが一層嬉しそうになった。

「さ、皆待ってるから早く帰ろう?」
「かえるー!」

そしてパルが、チャルの手を取る。チャルの手は冷えきっていた。
けれどもパルは、手を放しはしなかった。もう二人がバラバラにならないように。こうしていれば、はぐれる事はない。
二人は手を繋いだまま、冷えきった町を歩く。だけど寒くなんかない。二人はしっかりと手を繋いでいるから。それだけで暖かいから。
そのまま裏路地に、二人仲良く姿を消して行った。





「せめてさ」

ふと一人の青年が漏らした。隣にいたコートを着た男がそちらを向く。

「クリスマスくらいは休ませて欲しいんだけど」

そうして、不満そうにため息を一つ。
コートの男は言う。

「警察は年中無休だ」
「でもよレイさん。こんなに楽しんでる奴らがいるんだからさ…事件なんて起きそうにもねぇけどな」
「仕方ないだろう。人の気持ちは分からんのだからな」
「レイさん、ザンカさん!」

二人が会話していると、誰かが小走りでやってきた。
彼はたくさんの荷物を抱えている。

「リトル。どうしたんだ?」

ザンカはその青年、リトルを見て言った。リトルは恥ずかしそうに笑い、そしてこんな事を言う。

「今日はクリスマスなので。皆さんにクリスマスプレゼントでも、と」

はい、とリトルはレイとザンカにそれぞれ手渡しでプレゼントを渡す。
レイは相変わらず表情を変えず、ザンカは若干嬉しそうな表情をした。

「おーっ気がきくじゃねぇか!さっすがリトル!」
「気に入って下されば嬉しいです」

そうして、リトルも笑みを見せた。





「寒いですー」
「凍るですー」

そんな中、言っていることとは裏腹に、全く寒そうな素振りを見せない双子がいた。
その隣には、いかにも寒そうにしている双子が。

「いくらなんでも、寒過ぎない?」
「そうですか?」
「アズは寒さに耐性があるのかな」
「兄さんは苦手ですか?」
「まあね。僕も寒いのは好きじゃない」
「じゃあ私も嫌いなはずですよね?」
「僕に言われても…というか、アズ、彼らは?」
「わかりません。はぐれました」
「………」

そんなラルジュとアズを横目に、双子ちゃん―ミィルとリィルは大はしゃぎ。

「ミィは雪が降って欲しいですー」
「リィも雪が降って欲しいですー」
「お願いしてみますかー?」
「お願いしてみるですー」

そう考えつくと、二人は空に向かってこう言った。

「雪よ降れですー」
「今すぐ降れですー」
「ちょっと待って、雪が降るんなら更に寒くなる……」
「雪だるま作りたいですー」
「雪合戦したいですー」
「ラルさんも一緒にやるですー」
「アズさんも一緒にやるですー」

ラルジュの言葉すら聞かずに、ミィリィコンビは話を進めていく。
どんどん進んでいく話に、ラルジュは呆然とし、アズはやはりにこにこ笑う。

「やっぱり良いですね」
「何がですかー?」
「何でも楽しむ事が出来るじゃないですか」

そんなアズの笑顔につられて、ミィリィコンビも、にたーって笑う。

「餓鬼扱いするなですー」
「でもその通りかもですー」

そこで、何か冷たいものが頬に触れた。
ふと空を見上げると、白い綿。
ミィリィコンビはキラキラと目を輝かせる。
アズもわあ、と感嘆の声をあげる。

「……本当に、なった」

そしてラルジュも、若干嬉しそうに呟いた。





「雪だ!雪が降ってきたよ!」

その日、たくさんの笑顔が町に溢れていたのだった。





「めりー、くりすます…!」





白い雪。

聖なる夜の、贈り物。


――――――――――――

間に合った!クオリティ低いしこじつけっぽいしつぎはぎだらけだし!←

とりあえず逃げる!(
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