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千泡沫庭園

幾つもの泡沫から為る、どこか懐かしい庭園へ。

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ぷろふぃーる

さいしんきじ

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雪中草花と「家族」の情景 


しあわせになるための花。


(イーブルパターブ+ラルジュ、本編三話終了後~四話開始前)

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その名前の真意を問う話 


そんな問いを、したこともあった。

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枯れゆく世界、芽吹く世界 


枯れゆく大地が広がっていた。

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孤独風と大樹 


リミットとリシュア過去話。
(リミット、リシュア)


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風なびく草原。
流れる白い雲。
そして照り付ける太陽。
行く手を遮るものは何もない。
そんな世界を、彼は今日も踏みしめる。






俺は旅人。
目的は無い。
強いて言うなら、師の旅路を追うこと。

……昔は、とある男と共に旅をしていた。
何て言うか……今は剣の師と思えるけど、当時はただ、俺の面倒を色々見てくれた親、って立場だったと思う。両親の存在をそもそも知らない俺は、彼が一番、親に近いと感じていたんだろう。

……そんな師が、二年程前に殺された。
それは、とある事件が起きたのが切っ掛けだった。まあその辺の事は、詳しく話せば長くなる。
要点だけかいつまんで言うと――俺は、ある村を壊してしまった。と言っても、直接的では無いんだけど。
その村には、反逆者がいた。俺らはその、反逆者に利用されてただけらしい。
それで、本当は俺が殺されるはずだったのに――

……いや、後悔しても仕方ない。
そんな感じで、その時植えられた、俺の人間に対する不信感は、未だ拭えないでいるわけで。
こうして旅を続けていても、何ら変わる事なんて無かった。

俺が旅人である理由。
勿論、居場所が無いってのはあるけど、まあ……今の俺が何処か一点に留まったところで、俺は人と関わり合う自信がないっていうのが大きいと思う。
あれからずっと、一人で旅をしてきた。
目的の無い旅。
だから、
俺の旅は終わる事がない。





風なびく草原。
ここはランスターの郊外にある、リダ・フライアという草原だと聞いた。
緑の草の上に、散りばめられたように咲く花。
こんなに綺麗な花の景色を見るのは久しぶりだ。かつてクロウヴァという、広大な花畑で有名な町に寄った時以来だった気がする。
その町は何でも、三年前の大火災で、半分以上の土地が焼けたという。今はもうそんな痕跡は残っていなかった。

この世界――ユノトゥルでは、各地で多くの植物が見受けられる。森も多く、自然に満ち溢れている、とでも言っておこうか。
そもそも、「この世界」とは言ったけど、別に他の世界があるっていう意味じゃない。俺はよくわかんないし、アクアリオスかどっかの科学者が、多分必死で他の世界の有無を調べているんだろう。あくまで、そんな気がするだけだ。捜しだして、何をしようというのかはさっぱりだけど。

話は戻って……つまり、ユノトゥルの大地は、各地で様々な植物に覆われている。
それ故なのか、街や集落から出たりすると、時折野生の動物に襲われたりする事もある。食料目当てかなんかだろうけど、最近はその頻度がやけに多いような気がしてならない。町と町とを繋ぐ、輸送隊ですら深刻な被害を被っているとか。
まあ……三年前に出来た、ランバートを中心に展開する鉄道のおかげで、今は輸送隊を利用する人もあまりいないらしい。ちなみに、俺は乗った事ない。
ああいう類いの物は、中々に近づき難いというか……。

そういう訳で、本来ならば旅をする奴は、護身術の一つか二つは心得てるはずなんだ。剣とか、魔法とか。
戦えなければ、危なっかしくて旅なんて出来るわけない。近場は問題なくとも、長旅はきつい。
それか、誰か護衛を雇うかしないと、遠出は厳しいだろう。

俺も一応、例の師から剣術を教わっているから、そういう面では困らない。……はずなんだけど。


……見ると向こうから、何体かのパンサルが走ってくる。パンサルってのは、鋭い爪に、大きな豹の身体をした、斑模様の動物だ。その長い尾が特徴だったりする。
群れだろうか。みたところ、酷く怯えた様子で何かから逃げている感じか……?
それらは次々と俺の横を通り過ぎていく。


「退いて下さい!」


ふと何処からか、よく響く女の声がした。

どうも俺は、不意討ちに弱いらしい。
直後、一体のパンサルが俺に向かって襲いかかる。そして、地面に押さえ付けられた。

反応が、遅かった――!
パンサルは既に、俺に向かって爪を振りかざしている。


「だから退いて下さいと言ったのですが」


先程の女の声。
すぐ目の前にいるようだが、今、俺の上にはパンサルが乗っているような状態なので、彼女の姿は見えない。
――と思った瞬間、パンサルは大量の血を流し、倒れた。その背には、細身の刀が刺さっていた。いや、刀と言うには若干細すぎる気がしないでもない。レイピアの類いだろうか?


「……怪我はありませんか?」


その刀(一応、こう表現しておく)を抜きながら、彼女は言った。そこで漸く、俺はその女の姿を目にする事になる。
翠色の目、似たような色をした長い髪――俺が見ても美しいといえる、綺麗な女だった。
人に話しかけられるのも、正直面倒くさい。俺は適当に言葉を発した。


「……別に、これくらいなら一人で倒せた」


それでこんな台詞が出てくるんだから、俺もどこか捻くれてるんだろう。
ただ、女は少々上手だったらしい。


「まあ、普通ならそうですよね」


あっさりと肯定された。その微笑もそうだけど、こうも普通に返されると、少し調子が狂うものだ。
俺の心情なんかお構い無く、女は勝手に続けた。


「私の住む場所の近くで暴れていたようなので、追い払ったのですが……その際、大切な物を奪われてしまいまして。こう追いかけて来た所、貴方を見つけました」


……って事は、あのパンサル達は、この女に怯えてたっつー事なのか?
何だか厄介な人物に絡まれた気がする。
と、女は膝を折り、そこでぐったりしているパンサルを探り始めた。
何だかこのまま立ち去るのもあれだったから、俺はその様子を眺めていた。

そうして、暫くしてから女がパンサルから取り出したのは、透明の羽根――そして、それに付いている、橙色の押し花。
太陽の光に照らされて、それは静かに輝きを見せていた。女の「大切な物」だと見てとれた。すぐにそれらを、懐にしまってしまう。
女はふと、こちらを見た。


「どうしました?」


そしてこう投げ掛ける。
そこで、自分が無意識にその様子を眺めていたらしい事に気がついた。


「……別に」
「そんなにじろじろと眺められているのも少々居心地が良くないので、出来れば遠慮して頂きたいです」


女は俺の言葉を押し退けるかのように、すらすらと文句を述べた。
……何だそれ。


「では、私はこれで」


そう言って、女が立ち上がると、俺に向けて微笑し、そのままパンサルが駆けてきた方へと歩いて行った。
俺は暫く、その後ろ姿を眺めながら、そこで風を感じていた。





→(追記へ続く)
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小さな伝承と大きな使命 


※とーちゅあす短編。時のカケラ(本編第一話)後、夢の影(本編第二話)開始前



追記から。

(リシュア、リミット、ラック)


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